GASNOS

いい時は最高、悪い時は最低

巻壱:払暁。部活サッカー発ナビスコ杯優勝行(2000-2004)

知っているのか雷電…⁉︎

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漢の浪漫、民明書房

ここに一冊の本がある。
民明書房刊『好好東京青蹴球列伝(ハオハオトンキンチンチーツゥチィゥリイェユン)』

中国古文書と近所の野良猫の生態の碩学業平橋高架下酩酊科学大学院の矢島金一博士によれば「堅守速攻を掲げ天下統一を成し遂げた時の皇帝・直金大が配下の渡革咲に編纂を命じた愛と勇気だけが友達さなBLLN(ボーイズラブライトノベル)」とのこと。

御茶ノ水エチオピアの並びに佇む書店で偶然この奇書を手にした僥倖を読者諸賢と分かち合いながら、東京オフィシャルファンブック の歴史を振り返ろうと思う。

 

【注記】以降使用しているファンブックの表紙は、私蔵のファンブックをスキャンしたものです。経年劣化により発売当初とは色味などに変化が生じています。

 

2000年

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2000年_東京ファンブック表紙


 前年の1999年シーズンに棚ぼたでJ1昇格を決めた東京の初のファンブック。表紙はアマラオ(キングオブトーキョー)、藤山(後のミスタートーキョー)、俺たちの由紀彦(プリンスオブトーキョー)、そしてスーパーカブこと鏑木(レゲエオブトーキョー)という、攻守にバランスの取れた人選。

特集記事に「2001年春東京スタジアムオープン(工事中の写真がふんだんに使われている)」「SOCIO 誰のためのクラブなのか」「浅野哲也×内藤就行×前田浩司×神野卓哉などがあり、生まれたてのホヤホヤ感が半端ない。

またスペシャル対談が「東京都知事石原慎太郎×1200万人都民代表テリー伊藤」。サッカーに興味関心がなく、東京のことを1ミリも知らない2人が全く噛み合わないトークを3ページに渡り繰り広げるという地獄絵図が体験できるぞ。

 

2001年

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2001年_東京ファンブック表紙


東京スタジアム元年(味の素スタジアムネーミングライツされるのは翌年から。)表紙は所属選手が下から睨み上げるビーバップハイスクールスタイル。あと表紙にうっかり緑色が使われていますがよくムラバが許したな…

スタジアム柿落としのリーグ開幕戦でV先輩を粉砕するゴールを決める呂比須ワグナーの特集あり。もしこの試合を落としていたら「V先輩が闊歩する東京都」という世紀末救世主伝説級の世の中になっていたかもしれないと思うと、呂比須には足を向けて眠れません。まぁアマラオとプレースタイルかぶって半年後には移籍するけどな!

スペシャル対談が「大熊清×乙武洋匠」。この頃のZ武さんはまだ芸人化していなかったとはいえ、前年に続きスペシャル対談の人選をした担当者とそれを認めた上司は地獄の業火に投げ込まれるべき者である。

 

2002年

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2002年_東京ファンブック表紙

表紙は、藤山、フミタケ、ケリー将軍、ユキヒコ、ふ、ふ福田〜、アマラオ前年は開幕前のキャンプに飛び入り参加で「謎の外国人」扱いだったケリーも、1年経つとすっかり主役級の扱いに。2001年に無事オープンした味スタが背景に使われています。

綴じ込み付録に「アマラオ選手お面」。昔、このお面つけた写真を得意げに自分のWeb(当時はSNSやBLOGがまだなかったのでファンによる情報発信手段はWebページだけだった)にあげていた管理人がいたんだけど、本当につまらなかった(ことを思い出した。)

ちなみにこの年から監督にアジアの核弾頭ハラヒロミが就任。すごくフサフサ。

スペシャル対談は「アマラオ×蝶野正洋」。開幕ゲストに来てくれたのもこの年だっけ。

2003年

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2003年_東京ファンブック表紙

表紙は石川ナオ、アマラオ、宮沢、茂庭、ケリー、ジャーン、土肥。「アマラオ・ケリー・ジャーン」というセンターラインを支える伝説の優良ブラジル人トリオ真っ盛りの時。

選手対談に「呉章銀×梶山陽平」。「どうやったら2人の会話が成立したのか?」とインタビュアーの苦労が忍ばれる。ぞの2人が今となってはコーチだもんなぁ。

あとB-BOY気取りの茂庭がキメキメのドヤ顔で石川CCと対談、という特集もあり。

スペシャル対談は「ハラヒロミ×金子達人」。「こたつライター」の元祖として知られる金子達人を使った担当者とそれを認めた上司は地獄の業火に投げ込まれるべき者である(2回目)。

 

2004年

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2004年_東京ファンブック表紙

表紙は、加地、茂庭、石川CC、ケリー、ルーカス、ジャーン、土肥。前年にアマラオが湘南に移籍したこともあり、名目共に東京の顔はケリーに。そしてルーカス1年目。また味スタにギャルが押しかけるというこれまでにない前代未聞の光景を誘発した増嶋(後の「大切な君へ」)がこの年に入団。

他のチームに比べて予算がなく、社員選手などを活用しながらやりくりしてきた東京がこの年あたりからA代表や年代別代表の選手が増え始めた。それもあり「世界にはばたく青赤戦士」的な記事が掲載されるようになる。&新加入の今ちゃんさんが、挙動不審な目つきでインタビューに答える記事もあり。ファンブックの内容からも東京が徐々に戦力面で充実してきたことが窺われる中、遂に浦和を倒しナビスコカップ初優勝を飾る。


【Jリーグヤマザキナビスコカップ決勝ハイライト動画】FC東京vs浦和

スペシャル対談はハラヒロミ×貴乃花光司」。「監督×有名人」のパターンになり4年目だが「乙武、蝶野、金子達人、貴乃花」って並びを見ると東京は芸能エージェントに弱みでも握られていたんすかねぇ。

 

なおこの時代の東京躍進を支えたひとつに、大本営こと俺たちのトーチュウによる、東京偏向報道がある。更にそこで躍動した高橋正和記者の存在も忘れてはならない。、

「ドラゴンズやグランパスを抱える中日スポーツがなぜ東京を?」と思う人は、下記記事を参照してほしい。

gasnos.hatenablog.com

 

次巻予告

巻弐:転進。ポゼッション夢幻の如く(2005-2009)