GASNOS

いい時は最高、悪い時は最低

ウノゼロの美学と名古屋しぐさ(東京1-0名古屋)

レアンドロ上手すぎぃ

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レアンドロによる試合予告画像


名古屋戦はレアンドロが前半に決めたゴールを守り切り1-0で勝利。マッシモよ、これがカテナチオだ!高萩→永井→レアンドロが繋ぐテンポの良さに新しいファストブレイクの形をみました。

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しかも後半アディショナルタイムに得たPKをアダイウトンが止められたところで試合終了。東京らしい夏がきたねぇ。

 

名古屋コンディション悪すぎぃ

名古屋は水曜日にルヴァンカップ予選を戦い中2日、東京はルヴァンカップ予選免除により中5日。試合間隔に差があるにしても、名古屋は選手が疲れ切っていた。

調べてみると、水曜日のスタメンがそのまま試合に出ていた。この熱い時期になんじゃそりゃと思いつつも、マッシモらしいというかなんというか。。。

 

毎年恒例試合後の名古屋しぐさ

サッカーは相手があって成立するスポーツである以上、勝った負けたは時の運的な要素が多分にある。しかし敗戦の理由を自分たちの実力以外に求めてなぜか上から目線で物申す名古屋しぐさが毎年恒例なのは、なんでなんでしょうねぇ。もちろんそうでない名古屋の人の方が大半なんだろうけど(笑)

 

名より実を取るマッシモトーキョー振り返り

元カノ談義

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マッシモトーキョー


現在J1リーグで指揮を取る監督のうち、東京で監督経験がある指揮官は2名いる(篠田さんは現在清水のヘッドコーチなので除外。)

 

1人目は広島の城福監督。「自分としてはきれいに別れたつもりだったけど、相手はそうは思っておらず、なんとなく暗い思いをいまだに抱いていると人伝に聞いた」まぁ途中解任2回だから仕方ないと言えば仕方ないけど。

2人目は名古屋のマッシモ監督。「大人の付き合いで逢瀬を重ねるものの、ある日スパッと別れる。別れた後もなんとなく自分の周りにいて時々目が合う」目が合うだけでなくひどい仕打ちもしてくるけどな!

 

東京はそんなマッシモ率いる名古屋を、今週末(注:2020年8月15日)ホームで迎え撃つ。マッシモが東京で指揮をしたのは、2014シーズンと2015シーズンの2年間。マッシモ時代の東京は未経験なことが色々続いた2年間だった。

 

 

カルチョの国からコンニチワ

マッシモが東京の監督に就任した経緯は、当時の立石強化部長がイタリアで指導者ライセンスを取った時に同じクラスだった(卒業後も連絡を取り合っていた)からだ。単にコネがあっただけではなく、イタリアでの指導歴(ACチェザーナなど:長友が最初に移籍したクラブ。)も評価されていた。

 

マッシモのおかげで今まで気付いていなかったサッカーの楽しさを改めて知った」という趣旨のコメントを高橋秀人がしていたことがある。それ以外にも、監督は引き出しが多い、状況に応じたポジショニングが数センチ単位で指定されて新鮮な感じだなど、当時の東京の選手はマッシモの指導の綿密さを好意的に受け止めて吸収していた。

マッシモは東京にとって2人目の外国人監督。1人目のガーロの時は、それまでの堅守速攻からポゼッションへ目指すサッカーが180度転換で選手が付いていけず暗黒時代を招いたが(ガーロのパーソナリティもあっただろうが)、とりあえず今回はそれは避けられそうとホッとしたのを覚えている。

 

 

名より身をとるウノゼロの美学

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戦術武藤


マッシモの指揮の元、東京は綿密な守備を構築しリーグを戦い始めた。サッカーは相手より多くのゴールを奪わないと勝つことはできない。そのためにまずは相手にゴールを取られないことが最優先

相手ボールの位置を起点にブロックを敷き、ともかくペナルティエリアへの侵入を許さない。まずは守備、次に守備、その後も守備。

OKミステル、それは分かった。しかしそれだと引き分けばかりになる。攻撃はどうする?攻撃なんて才能のある選手に任せればいいのだ、それいけ縦ポン戦術武藤!こうして東京は「勝つ時は1-0。引き分ける時は0-0」という試合を重ねていった。

 

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当時ゴール裏で出されたマッシモの弾幕


それまで「やられたらやり返す」という出入りの激しいサッカーを支持していた我々にとって、「華はなくても勝ち点は積み上がる」というウノゼロの美学は新鮮だった。また元々ドM気質が根底にあるので、ジリジリとした気持ちで試合を見ることに慣れていたのも大きい。他のクラブからすれば東京のサッカーはつまらないと思われていたかもしれないが、名より実を取ることで万年中位の指定席から脱しつつある高揚感の方が当時は優っていた。

 

 

フロントは納得のいく説明をしろ!

2014年は9位で終わるものの、2015年は4位。2015年の総合4位勝点63(注:2015年は2ステージ制)は当時のクラブ記録で、リーグ最終戦鳥栖戦で勝利をしていれば3位となりチャンピオンズステージにも進めたのにという好成績だった(3位ガンバ大阪と勝ち点は同じだったが得失点差で4位になった。)

https://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2015/11/22/kiji/K20151122011556410.html

 

しかし東京はマッシモとの契約更新を行わないことを発表。報道された未更新の理由は「方向性の違い」。クラブのこの決断について「フロントは納得のいく説明をしろ!」というネット論客の皆様の声が多数上がった。歴代最高の成績を残した指揮官をなぜ?と口泡を飛ばしたくなるのは確かにそうだろう。正義は自分側にあると思い込む時ほど、激しく相手を問い詰めるような言葉を使いたくなるからね。

 

当時の立石強化部長は「2年でタイトル取れなければ監督は交代する」というポリシーを持っていたので、単にそれに従ったとも言える。クラブ運営の当事者ではないので憶測に過ぎないが、マッシモと契約更新をしなかった理由としては以下のものが考えられる。

 

 

①守備戦術だけでは優勝はできない

守りに注力することで歴代最高順位を得た。しかしリーグ制覇をのためにはそれだけでいけるのか。ある程度点を取らないと優勝はできない、そのための指揮官はマッシモではないという判断。

 

U-23に対する見解の相違

東京は翌2016シーズンからU-23J3に参戦させて、育成型クラブを目指す方針だった。しかしマッシモは若手育成のためには他のクラブにレンタル移籍させた方が良いという方針で、クラブの方針と噛み合わなかった。

 

③ファミリーを抱えるためのコスト

監督の年俸だけでなく、ヘッドコーチ、GKコーチ、フィジカルコーチなどマッシモファミリーを抱えるためのコストが財政上の負担だった。また外国籍選手獲得のためにマッシモと関わりのある代理人を使わざるを得ず、その手数料もバカにならないコストだった。

 

それでも光り輝くマッシモの功績

「ブルゴーニ爺さん(GKコーチ)がブチ切れて途中退団したのはなぜ?」や「権田が移籍することになったのはなぜ?」など良いことばかりじゃないのも確かだが、マッシモが東京に守備戦術という新しい考えをもたらし、歴代上位の戦績を残した功績は変わらない。

マッシモは東京退任後、鳥栖→名古屋の監督を歴任しており「Jリーグである程度の成績を残せる実績のある監督」として遺憾無くその指揮力と就職力を発揮している。有能な監督であることに間違いはないのだ。

 

そんなマッシモと対峙する東京ですが、試合終了後の室屋移籍セレモニーでなぜか「ボンジョルノ!」とイタリア語がスタジアムに響き、上空を飛ぶヘリから何かが飛び降りてくる・・・ということを期待してやみませぬ。

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写真はイメージです

 

楽しい塩試合(C大阪 0-0 東京)

初陣、波多野豪

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vsC大阪戦先発

C大阪戦は0-0の引き分け。得点が入らないゲームは退屈に思いがちだが、両チームとも決定機が何度かあり、またそれをGKがスーパーセーブするなど、ワクワクとドキドキが続く90分間だった。

東京の最大のサプライズは、これまで控えだった波多野がJ1リーグ初先発。レギュラーGKがシーズン中に変わるケースはなかなか見ないケース。過去の東京でシーズン途中でレギュラーGKが入れ替わったのは、土肥→塩田の時代以来か。

 

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これが林との序列が入れ替わったことによるものなのか、チームの雰囲気を変えたいがためによるものなのかは監督しか知らぬこと。しかしこのあと年末までリーグだけでなくACLも含んだ連戦が続くこと、ルヴァンカップ予選がないこと、U-23がないことなどを考えると、波多野のパフォーマンスに目処が立ったことはいいことだ。

しかし昨シーズンは聖域だったサイドバックとGKに競争が発生するとは、長谷川監督のマネジメント恐るべし

 

自由を手に入れた高萩洋次郎(ただし守備で)

C大阪はピッチを幅広く使い、スライドのギャップが生じた相手守備陣の穴に人数をつぎ込む攻撃を仕掛けてくる。それを考えると相手のサイドチェンジにスライドが間に合うことが大事なので4-4-2で守るんだろうなと思っていたら、東京は4-1-4-1で守備をしていた。

CBの前の「1」は高萩が担当し、前後左右にある程度自由に守備をしておりこれがハマっていた。持ち前の戦術眼で相手を早めに潰しに行けたし、守備陣もボールを奪った後の預け先として高萩がいたおかげでボールを前にスムーズに運べていた。まぁ高萩からボールを受けてFW陣に繋ぐのがアベシューとアルトゥールだったので、全体的にスムーズとはいかなかったけど。

当面中盤の3枚が「高萩・アベシュー・アルトゥール」で行くのか他の組み合わせを試すのか。とりあえずダビド・シルバさんは東京に来ないみたいなので、最先端医学を駆使して東の怪我を来週ぐらいまでに治してください!

 

超攻撃的マッシモ(え?)

 

そろそろスカッとした勝点3が欲しい頃合いですが、次戦の相手はマッシモ率いる名古屋。「マッシモ監督の元、攻撃的なサッカーを目指す」と聞いた時は「健康のためになら死ねる」にも似た矛盾を感じましたが、現在東京を上回る2位につけてる手腕を見るとさすがだぜミステル!(掌返し)

この時代が懐かしいね。

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マッシモトーキョー時代

 

スタジアムに行こう(東京2-3鳥栖 J1リーグ戦)

世紀末トーキョー救世主伝説

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味スタよ私は帰ってきた

それなりの時間やお金を使ってスタジアムに足を運ぶのはなぜか。

「その場にいることが大事だから」である。

歴史に残るような好試合になるか外人頼みのクソサッカーを見せつけられるかは、行ってみないとわからない。「俺はあのゴールをスタジアムで見た」と後に語れるプレーを見られるか、「俺の方がまだ上手い」と言うプレーを見せつけられるかも、行ってみないとわからない。その場にいることが大事なくせに、本当に大事か否かが事前に全く保証されていない不確実性こそがスタジアムに行こうな醍醐味である。

しかし昨晩、時間とお金だけでなくコロナ感染のリスクをもとって味スタに足を運んだ4800人弱の好事家達は、その場にいることの大事さを改めて思い知ったはずである。

救世主ハラタイチ降臨。俺たちは平山神の再臨をこの目で見た!

当初はオウンゴールと発表されるものの、後に訂正。メシアに歯向かう記録員が地獄の業火に投げ入れられた結果である。

残り5分でアダイウトンがボールを全て大智に集める「令和のアマラオ大作戦」を大展開。

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令和のアマラオ大作戦を見たぼく

その一連の大作戦の中で、左からあげたアダイウトンのクロスにタイミングよく足から飛び込み触れればゴールというプレーがあったけど、大智の特長を周りも理解しただろうし、お願いだからあのプレーで理解してやって欲しい。今後に期待。

 

背骨の折れたエンジェル

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コロナクソッタレ

中盤の底、CBの前で中央に蓋をしていた拳人と、中盤と前線のつなぎをしていた東という背骨が折れた状態であると、一人一人の寄せの強度や速さの問題以前に全体のプレスが効かない構造になる。しばらくはそんな東京の弱点を見越して相手にミドルを打たれまくる試合が続きそうだ。

幸いなのは、昔と違って東京にはまだ持ち札があると言うこと。

相手の弱点をつくことに関してはJ1随一の次戦C大阪で、中盤の底をアルトゥールに任せるミッドサマーホラーショーもよし、平川や品田を起用してともかくボールを散らすことでリスク回避するオプションもあるかもしれない。そして永遠の夢である森重アンカーシステムだってあるかもしれない。
手持ちの札でどう戦うか。欲しい札が手元に常にあってしかも潤沢であるなんてことは、勝負ごとではまずあり得ない。大変でも辛くても手持ちの札で戦うしかないのだ。楽しくなってまいりました!

 

余談:ひと夏の経験

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どちらかと言うと地味目だったハナちゃんが

「クラスの中でどちらかと言うと地味系だったハナちゃんが、夏休みあけに会ったらキャバ嬢見たくなっていました」(久々の味スタでの最大の衝撃)

 

あとスパシーバ拳人の番号も決まった模様。

 

失われた精神的支柱を求めて(J1リーグ戦 鹿島2-2東京)

前半:スーペルタマ!スーペルつよぽん!スーペルモリゲ

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鹿島という土地に対するイメージ

「鹿島がやりたいのは東京下位互換のファストブレイク?」と思っていたら、アーリークロスからヘディング決められて先制される。本来4枚いるべき最終ラインが3枚しかおらずにスライド間に合わなかったのが原因だけど、なんで足りなかったのだろう。

具体的には室屋の戻りが遅れボランチが落ちてこなかったんだけど、「ひょっとして全体的に疲れてる?」というチームコンディションが気になった。(そしてこの懸念は後半の失点につながる。)

しかし中断明け以降音信不通だったタマの超絶コーナーキック2連発をつよぽんモリゲがしっかり決めて、1点リードで折り返す。タマと同じく久しぶりの先発となった内田も、運動量豊富にボールに絡んでおり戦力の底上げを図るという意味では前半終了時点では上々だった。

 

後半:釘バットを振り回すにしても誰が仕切るの?

後半始まり最初の交代は、久しぶりの先発だったタマと内田をアダイウトンと紺野に交代。

 後半押され気味な状況打破のために釘バットでぶん殴ります作戦決行するも、チーム全体の運動量が低下し終始押される展開に。そして同点ゴールを決められて、そのままタイムアップ。羽生さんの振り返りが全てをものがっている試合でした。

個人的に気になったのは、運動量低下で押され気味な展開の時に、フィールドにいる選手の意思を統一する(我慢するのかタコ殴りにするのか)役目の選手は誰なんだろうという点。 東がいれば、東がいるとき、東がいない、東にいて欲しい、早く帰ってきてーとキャプテン東の5段変格活用を壁際に寝返り打ちながら思うわけですが、失われた精神的支柱を今後は誰が担うのかが当面の課題になりそう。

 

俺的には精神的支柱はレアンドロでいいんだけどな!絶対無理だけど。

 

 他人の芝居のアラが目立つ時は自分の芝居がダメな時

誰の発言だか分からない以上言及しようないが、この根拠不明な謎の万能感満ち溢れる人間性って、選手として上手い下手の以前にどうなんだ。記録として残す。

外人頼みのクソサッカー(J1リーグ戦 札幌 1-1 東京)

前半:さすが名将長谷川!俺たちができないことを平然と(略)

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先発メンバーに外国籍選手が5人の豪華ラインアップ

先発メンバーを見た瞬間誰もが思ったに違いない「外人頼みのクソサッカー!

結果としては不発に終わったものの、ブラジリアントリデンテ+将来のレオシルバ+オマリさんと言う持てる戦力フル活用の選択は、夢と希望とそして「で誰が守るの?」の気持ちで満ち溢れたものだった。

前半終了間際に失点し1-0で折り返す。1点取られたあと突然本気出してポスト直撃のシュートをうったレアンドロ可愛いよレアンドロ

失点シーンはペナルティエリアを右から左へ通されるクロスが起点をなったものだけど、オマリさんがあっさり振り切られてクロスあげられたのが全ての原因。やっぱり森重の寝首掻蹴るレベルのCB欲しいなぁ。

後半:M字大頼みのクソサッカー

 

「カウンター喰らうと確実に死ぬるから、むしろ東京にボール持たせちゃえ♡」と言う札幌監督のミシャの戦略に危うくはまるところだったが、レアンドロからの絶妙パスを斜めに走り込んできた室屋が絶妙トラップ→絶妙シュートで追いつく。はい、絶妙を3回使いましたね。

そして特筆すべきは、試合終了時点の11人中、室屋、アベシュー、帆高のM字大卒が3人を占めると言う東京史上初の緊急事態!昔はラグビーばかりが強くてサッカーなんて話題にも上がらなかったのに、隔世の感がある。Viva M字大トリデンテ!!!

しかし東京が誇るクアトロM字大卒のもう1人、タマは何処に行ってしまったんや…

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頼もしき林と帆高の進化

 

 

中断期間を経て、林のプレーは本当に良くなった。

2月のACL予選vs蔚山の飛び出しでやらかして今シーズンはどうなるかと思っていたけれど、コロナ中断中に頭の中を色々静止したのかと。

そして赤丸急上昇中の中村帆高。今年の大卒3人衆の中では、アベシュー、紺野にデビューを先に越されたけど、経験から学ぶスピードであっという間に順応しているのが逞しい。こう言う選手がオリンピックや国際大会に出場すると、海外に行ってしまうんだよな。

 

田川負傷、拳人移籍、そして東の怪我(多分大怪我)と、連戦続きの中であれこれ戦力ダウン待った無しの状況になりつつあるけれど、ここまでまだ出番のない若手(主にMF陣)が出てくれば一気に底上げが進む。品田、平川、内田、ヨシタケたちの成長促進剤はよ。

応援2.0:ボタンひとつで嬌声があがる新応援システム

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応援2.0な風景(イメージ図)

既存の応援システムなんて喝だ喝!

入場者を5000人以下に抑えることを当面継続することが発表されたJリーグ。そんな試合を少しでも試合を盛り上げるために、画期的な新応援システムが開発されたことが本紙の取材で明らかになった。

 

「録音した歓声を流す、アプリ経由で機械音の歓声を流す、プレミアムドールダッチワイフを観客席に置くなど様々な試みがありましたが、どれも失敗作です。やはり目の前のプレーに応じて臨機応変にあがる様々な声こそが、スポーツ観戦にふさわしい声です。我々はその課題に取り組みました」と語るのは、開発元のタシマ・テフガキーユ社代表取締役ワグネル=ペレイラ=カルドーゾさん。

 

「我々が開発した新応援システムは、スタジアムで観戦される上級SOCIO様と、アプリでしか観戦できない下級SOCIOどもを繋ぐ斬新なアプローチをとっています。

Jリーグあったけぇあったけぇでよく使われる“絆”や“現地に向かって念を送ります! つ魂”を見える化した世界初のシステムです。既にアンドラ公国リーグ、エロマンガ諸島スーペルリーガなどから問い合わせをいただいています。また世界的なコンテンツプラットフォーマーのBMM社からは出資の打診もいただきました」と世界進出が既に視野に入っている模様だ。

 

システムの仕組みについてはアドバイザーとして関わった、浅草六区アダム徳永研究センター長の取石薔薇氏に解説をお願いした。

「非常にシンプルながらも強力なシステムです。IoT(Internet of Things)の活用です。現地観戦する上級SOCIO様には、今回我々が開発した小型デバイスを装着していただきます。アプリ観戦の下級SOCIOどもにはデバイスと連動するリモコンを渡します。ブラジリアントリデンテがゴールしたその瞬間にリモコンのボタンをポチッとすると、上級SOCIO様のデバイスがブブブブッと振動し、スタジアムが歓喜と恍惚の嬌声で満ち溢れると言う仕組みです。すごくない?」

 

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カスタマイズもできます

「デバイスは無料配布しますが、リモコンは有料。しかもバイスが上級SOCIO様の老若男女度合いを自動判定(AI)し、リモコン代が変動するダイナミックプライシングを採用。1試合のボタンを押せる上限数は制限されていますが、有料課金することで回数や振動数や振動時間などを自由にカスタマイズできるなど、マネタイズについても考慮しています。」

「またあくまで嬌声であるため、応援プロトコルで禁止されている歓声に該当しないことは、ジャッジリプレイでも取り上げられました。拍手はOKだが手拍子はNGと同じロジックであるとお墨付きを得ています。」

 

有効なワクチンが開発され接種が行き渡るまでどれくらいの時間がかかるかわからない現状では、今までの当たり前が当たりまでは無くなります。我々が当たり前と思っていた応援スタイルも、その有り様を見直す必要があるのかもしれません。

手拍子ではなく拍手を送ろう。歓声ではなく嬌声を送ろう。出したい声も出せないと言う現実の前に文化が敗北したこんな世の中にドロップキック。ウルセーヨバカヤロウ。真っ先に課金しボタンを押しまくるのは貴方かもしれません。

 

(ロリター通信社 長万部セリーヌ記者)